果子から菓子へ
「お菓子」とはそもそも「木の実」や「くだもの」という意味でした。なかでも甘みが強く、口当たりも良い干し柿は、お菓子のルーツといわれています。
皮をむいて干したり、渋抜きをしたりと、加工度が高いという意味では、まさに手作りのお菓子の原型といえるでしょう。
その干し柿を使って、さらに洗練されたお菓子を作るというのが、菓子屋の矜持であり、菓子屋としての存在意義にもつながると考えています。
干し柿をそのままお客様にお出しすれば事は足りるかもしれませんが、それではお菓子としての面白みはなく、また文化的・技術的な成熟もありません。
干し柿を使ってお菓子の洗練度を高め、突き詰めた結論のひとつが、弊社の柿羊羹ではないかと思っています。